3D生成の棚で実測を積んだ2本、Meshy と Tripo に、同じイラストを1枚ずつ渡した。どちらも無料枠のまま、2026年9月2日の同じ日に。出来がどう違うか、横から見ると何が起きるか、無料のまま何を持ち帰れるか、崩れたときにどう直すか。この4つで並べる。
入口の構えから違う。Tripo はログインした直後に有料の案内が開き、×で閉じようとすると「プレミアムツールを失わないでください」という引き留めがもう一枚挟まる。断る側は小さな文字で、作る画面に辿り着くまでに2回閉じる。Meshy はログインするとデイリーのチェックイン報酬が先に出る。1日目に30、5日目には100クレジットと1回ぶんのダウンロード権で、続けて入るほど増える。ただし受け取ったクレジットには期限があり、翌月の同じ日に消える。
同じ絵を渡すと、何が出てくるか
Meshy はゲームアセット向けの最速エンジンから始めた。表示は2秒・5クレジット。押すと数秒で立体が起き、三角面でフェイス数1,078、指定したポリゴン数より軽い数字だった。最初は何も分からないまま押した結果で、比較のために目標を約5,000に指定してテクスチャ付きで出し直すと、フェイス数5,500になった。表示は2分・15クレジットで、テクスチャを切れば2秒・5だった。エンジンを最高精度に替えると表示は1分・20クレジットに変わり、同じ絵からフェイス数1,917,242の一体が出る。桁が3つ違う。プリント可能性の判定に緑のチェックが付いた。素のメッシュとテクスチャは課金が分かれていて、画面には生成5・テクスチャ追加20と出る。テクスチャ込みで一度に頼むと30。
Tripo は既定が v3.1 の最高品質で、生成ボタンに55クレジットと出る。押すと残高が200から145へ表示どおり減り、点の群れが人の形に集まっていく画面のあと、テクスチャまで乗った一体が返ってきた。三角面でフェイス数1,984,380。最高精度どうしなら密度は同じ桁で、違いは「テクスチャ込みで一度に出るか、分けて積むか」に出る。
無料枠の大きさも違う。Meshy は月100クレジットで、そこにチェックイン報酬が足される。Tripo は月200クレジットで、公称はおよそ13モデル。実測の消費は最高品質で55なので、最高品質だけなら月3回ほどになる。
横から見ると、作りが分かる
Meshy の一体は、正面は整って見えた。差は横に回したときに出る。耳が4つあった。前髪とボブで耳が隠れた絵を渡していたので、髪の影を耳の形と読んで左右に重ねたのだと、あとで 3D エージェントが説明してくれる。横から見ると顔の面が一枚の部品として浮き、その下に元の頭部が残っている。裾の後ろ側も崩れていた。
Tripo の一体は、髪が房ごとに立体的に流れ、顔の面が浮くこともない。靴はヒールの踵の細さまで作られていた。同じ絵の同じ場所が、Meshy では寸胴のパンプス状に潰れていた部分だ。
ただしこれは、1枚の絵での1回ずつの結果にすぎない。前髪で耳が隠れた絵は、絵の読み取りでつまずく典型として Meshy のエージェントの説明にも出てくる型で、別の絵なら逆の結果が出てもおかしくない。方式の差として言えるのは「Tripo は既定でテクスチャまで一度に仕上げる」「Meshy は形とテクスチャを分けて積む」という作りの違いまでで、出来の優劣は絵ごとに変わると読んでほしい。
無料のまま、何を持ち帰れるか
ここが一番はっきり分かれる。
Meshy で最高精度の一体を落とそうとすると、ボタンに PRO の印が付く。無料のまま落とせるのは Lite で作ったモデルだけで、それも月10回まで。その Lite は高詳細の側にしかなく、ゲーム向けの軽い形で作ると、そもそも落とす道が無い。高詳細側の Lite で同じ絵を作ると10クレジットでフェイス数228,342、落とせない方の8分の1ほどの密度で、近くで見ると裾に穴が開き、肘や膝の関節が粗い。プリント可能性の判定は緑のままだった。この一体を stl で書き出すと、ボタンの残り回数が「今月あと9回」に変わった。書き出しの形式は fbx から stl・3mf まで8種類あり、プリンタ用の形式は揃っている。ただしプリント用の実寸の指定は有料側にある。
Tripo で最高品質の一体を書き出そうとすると、無制限の書き出しはサブスク側という添え書きが出て、こちらも無料では1形式も落とせない。無料の書き出しは v2.5 世代を月15回まで。v2.5 で作り直すと消費は40クレジット、フェイス数489,744、テクスチャ込みで出てくる。一段落ちるのは見て分かる。髪の質感がべったりし、さきほど褒めたヒールの踵は消えて平らな靴になった。それでも耳の重複や穴のような破綻は無い。これを STL で書き出すと、そのまま保存できた。ボタンは残り14回になる。
数え直すと、無料の天井は回数ではなくクレジットで決まる。Tripo は v2.5 が1回40なので、月200では5回。Meshy は Lite が1回10なので、月10回のダウンロード枠の方が先に来る。無料で手元に残るのは、Meshy が「高詳細側の Lite で作った低密度の形」、Tripo が「ひとつ前の世代のテクスチャ込み」になる。最高の出来を見せて、持ち出しは旧世代か軽量版に限る作りは、2本で同じ形だった。
持ち帰ったものを仕事に使えるかも分かれる。Meshy の無料は CC BY 4.0 で、出典を表示すれば商用に使える。表示の要らないプライベートライセンスには、無料のまま切り替えられなかった。Tripo の無料は公開固定かつ非商用で、非公開にしようとするとサブスク限定のロックが出る。人に見せたくない絵や仕事の絵は、Tripo の無料には入れられない。作品をギャラリーに出すとクレジットが増える循環があるので、公開してよい絵なら無料でも粘れる。
崩れたとき、どう直すか
Meshy の強みはここにあった。耳が4つになった一体を前に、3D エージェントへ「耳が4つになった」と日本語で伝えるだけで話が進む。前髪やボブで耳が隠れた絵によく起きること、髪の影を耳らしい形と取り違えて左右に重ねてしまうこと、という見立てが返り、そのうえで直し方が2つ並ぶ。前のモデルが残っていれば無料の再試行で重複が消えるか試す道と、画像の調整を挟んでから作り直す道。調整を選ぶと残高が105から93へ12だけ減り、髪と耳の境目が整った絵が返ってきた。続けて3D化に進むと実行の前に見積りが出て、承認すると見積りどおり30減る。出来上がりは耳が左右1つずつになり、エージェントが自分で検分してそう報告してくる。設定の名前を1つも知らなくていい。直すのに合わせて42クレジットかかった。
Tripo は今回の絵で直す必要が出なかったので、直し方の手触りはまだ比べられていない。出来上がりの画面には無料再試行・3Dプリント・共有・エクスポートのボタンが並び、画面内の FAQ にはクレジットの単価表が載っている。生成25にアドオンを足す方式で、四角形メッシュ+5・テクスチャ生成+10・オートリグ20。単価を隠さない作りなので、次に何をするといくつ減るかは先に読める。
どちらから触るかは、絵しだいでいい。まず1枚で出来を見たいなら Tripo、崩れたときに日本語で相談しながら直したいなら Meshy。金額は上の並びに、確認日つきで置いてある。

